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森 由美 監修


  • 定価:1,991円
  • 仕様:A5判144頁
  • 発行年月日:2024年5月31日
電子書籍

内容

日本のやきもの探訪 窯場の味わいと見分け方・愉しみ方を知る

 

★  「うつわ」の魅力を引き立たせる多様な背景を
徹底解説。

 

★ 全国の窯場・産地の見どころや作品の特徴、
土や釉薬の性質など

 

 

◇◆◇ 監修者からのコメント ◇◆◇

 

日本各地の「やきもの」には、それぞれ個性がある。
その個性を形づくるのは、
それが生まれる土地の風土であり、
やきものが持っている歴史である。

 

平安時代末から鎌倉、室町という中世は、
やきもの生産が盛んな時代だった。
壺、甕、鉢を焼いた中世の窯跡は、
日本各地に80カ所以上も確認されている。

 

桃山、江戸時代初期には、茶の湯の流行を背景に、
釉を掛け、文様を描いた陶器が続々誕生。
それらは茶道具だけでなく食器へと展開し、
やきものの活躍は生活道具から、
もてなしの場へと広がった。
さらに江戸後期には、陶磁器の普及によって
各地でやきもの生産が盛り上がる。
藩の主導で製作する高級品、
暮らしに寄り添う日用の器など多種多様。

 

そうした、それぞれ異なる歴史が各地の
やきものの背景にある。
中世の焼締陶・備前焼、桃山の茶陶・美濃焼、
江戸の民窯・益子焼。
新しいものが生まれれば古いものが消えていく、
とは限らないところが面白い。
それが日本のやきものの多様性へとつながっている。

 

多くの窯が長い歴史のなかで消えていった。
生産力や流通で競争があったり、
生活様式の変化でやきものが使われなくなったり。
ところが、それらを乗り越え存続する窯、
さらには復活する窯がある。

 

技術は途絶えるし、原料の土もその土地のものを
使い続けるとは限らない。
それでもなお、やきものづくりの記憶のある場所で、
やきものがつくられ続ける。
思えば不思議なことである。

 

その土地へ行って、景色を眺め、風を感じ、食べて、
話して、暮らす人々の思いに触れて。
そうして、初めてわかるかもしれない。
謎は解けるのか深まるのか。
でもそこには、きっと新しい発見がある。

 

さあ出かけよう、やきものの旅!

 

陶磁研究家
森 由美

 

 

◇◆◇ 主な目次 ◇◆◇

 

☆ 巻頭特集
やきものの町を訪ねる
* 丹波焼 〈兵庫県丹波篠山市〉
* つくり手に会いに丹波焼の里へ
* 見て食べて触れて、やきものの町を歩く
・・・など

 

☆ 第1章
やきものの基礎知識

* やきものができるまで
* 磁器・陶器・焼締の違い
* 成形方法
* 装飾技法
* 釉薬の種類
・・・など

 

☆ 第2章
全国の窯場でやきものを楽しむ

* 会津本郷焼 〈福島県大沼郡会津美里町〉
* 益子焼 〈栃木県芳賀郡益子町〉
* 越前焼 〈福井県丹生郡越前町〉
* 瀬戸焼 〈愛知県瀬戸市〉
* 伊賀焼 〈三重県伊賀市〉
* 京焼 〈京都府京都市〉
* 萩焼 〈山口県萩市、長門市〉
* 小石原焼 〈福岡県朝倉郡東峰村〉
* 唐津焼 〈佐賀県唐津市〉
* 壺屋焼 〈沖縄県那覇市、中頭郡読谷村ほか〉
・・・など

 

☆ 第3章
ほかにもあるやきものの里

* こぶ志焼 〈北海道岩見沢市〉
* 台焼 〈岩手県花巻市〉
* 新庄東山焼 〈山形県新庄市〉
* 小砂焼 〈栃木県那須郡那珂川町〉
* 越中瀬戸焼 〈富山県中新川郡立山町〉
* 松代焼 〈長野県長野市〉
* 朝日焼 〈京都府宇治市〉
* 牛ノ戸焼 〈鳥取県鳥取市〉
* 出雲焼 〈島根県松江市〉
* 大谷焼 〈徳島県鳴門市〉
* 尾戸焼 〈高知県高知市〉
* 白石焼 〈佐賀県三養基郡みやき町〉
* 三川内焼 〈長崎県佐世保市三川内町ほか〉
* 小代焼 〈熊本県荒尾市、玉名郡南関町ほか〉
・・・など